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小学校で1人1台のPC配置は無理がある【コラム】

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最近になってようやく、政府が全小学校にPCの配置検討を始めました。私はゆとり世代とはいえ、もう歳のいったオッサンですが、母校には既にパソコンは設置されていました。けれど、それは恵まれた環境だったようです。

今回政府がやろうとしているのは、1人1台専用のパソコンを持たせようとするものですが、果たしてこれは現実的なのか。そして、そもそもなんの意図があって行うのか。今回はそれについて独自の見解を示していきたいと思います。

 

そもそも何故行うのか

IT先進国になりたいから

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日本は先進国でありながら、IT方面では後進国です。キャッシュレス化も未だに万全とは言い難いし、大臣ともあろうものが「USBジャックは俺が防ぐ!」などと恥ずかしげもなく発言するなど、世界から見ても笑い者になっている有様です。

だからこそ、4000億円という膨大な財源を使ってでも義務教育の中でIT分野を取り入れて、IT先進化を図っているわけです。

 

AI分野のプロフェッショナルの育成

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今後日本は、ますます人工の減少が予想されています。そうした中で発展していくには、人間の代わりに働く人材、AIの存在が必要不可欠になってきます。しかし、IT後進国の日本にはそんなAI開発の人材は少ないし、一般的に普及し始めているAlexaやSiriなどはすべて外国製です。

幼少期からプロフェッショナルな分野の育成を行えば、日本も優秀なAIをバッと開発できて、国の発展の礎となるでしょう。

 

紙の節約に繋がる

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最近、大手企業ではNOシート政策を掲げているところがあります。できるだけFAXやコピー機の使用を控え、すべて電子データでのやりとりにすることにより、紙資源の節約を行おうとする動きです。私の会社は零細企業ですが、取引先の大手にそれを強要されました。

政府の方面にもこういった動きがあるかはわかりませんが、学校で出る紙類は確かに馬鹿にならない量です。それらをすべて電子データで賄えるように慣れば、某環境活動家少女も多少は静かになるかもしれませんね。

 

実際可能なのか

誰が教えるのか

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WordやExcelが多少使えるレベルにするならともかく、プログラミングまで教えるとなるとそれなりの専門的知識は必要になります。しかしそんな人材で教員免許を持った人が、果たしてどれだけいるというのでしょうか。

私の小学生時代では、コンピュータ室で複数人でパソコンを共用し授業を行っていましたが、はっきり言ってそんな専門的な事はやっていません。タイピング練習ソフトやお絵かきソフトなどを触った程度だし、教員はそれすら四苦八苦して行っていた記憶があります。

今の時代ならばパソコンを扱える人間も増えているでしょうが、専門教育となると厳しいでしょう。

 

パソコンの代金は?  整備は?

パソコンは確かに安くなってきましたが、それでもまともに使えるものとなれば五万円程度は必要になります。

しかも、それで小学校6年間ずっと使っていられるのであればともかく、途中で半数以上は自然故障や物的故障をするでしょう。さらに言えば6年立つ前に型落ちするので、性能だって追いつかなくなってくる。

こんな金食い虫であることを見通して、4000億円という財源を算出したのでしょうか。まさか、壊れたら保護者に買い換えろなんて言いませんよね?

 

授業時間的に意味がない

小学校教育は、別にITの授業だけ行うわけではありません。国語、算数、理科、社会の基本的な教科に、最近では英語も追加。その他に保健体育や美術に家庭科などの特殊科目も存在します。

特殊科目として入れた場合は、はっきり言って時間が全然足りません。週に一コマ二コマ程度行っても、進んだことは出来ないでしょう。

かといって通常科目と同じだけ枠を割こうとしてもそれは無理です。他をおろそかにする訳にはいかないので。義務教育制度自体を見直さないと、AI分野のプロフェッショナルを小中学校のうちに育てるのは無理です。

 

現状タブレットで行っているところが答えだ

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一部の区域では既に全生徒にタブレットを配布し授業に取り込んでいる所もあります。子供の中には上手に使っている子もいますが、できない子だって当然います。

しかし、そんな子供達に使い方を教えるのは教師ではなく、出来る側の子供です。先生の大半が授業に付いてこれず、ただカリキュラムになぞって話しているだけで理解できていないのです。

さて、こんな有様でパソコンなんて、教師側が教えられるのでしょうか。

 

他に力を入れるべきところがあるだろ

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ここ数年温暖化の影響もあって、気温はますます上昇している。にも関わらず、エアコンのない小中学校の多いこと多いこと。授業をまともにうけさせるなら、それなりの環境は当然必要。体温より暑いような環境下で、集中して授業を受けろというのは酷な話とは思いませんか?

 

総評

正直いって、IT分野の専門家を育て上げたいのであれば、義務教育が終わってからでも十分です。そもそも義務教育で子どもたちの多くがキャパシティオーバーなのに、さらに別分野を詰め込んでもこぼれ落ちるだけだと思います。

国が力を入れて専門家を育て上げたいなら、それ専門の高校を国立で建てた方がよっぽどよいと思います。

 

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