皆さんはネットリンチといい言葉をご存知でしょうか。これはそのままの意味で、掲示板だったりSNSだったりで、特定の個人に対しボロクソに誹謗中傷を重ねる事です。
いままでこういったネット上の誹謗中傷に対し、法はあまり有効ではありませんでした。しかし、2019年1月23日に公開された情報によると、東京地裁にて初めて電話番号の開示請求が命じられました。これによってネットリンチはリスクのある行動へ変わっていくのでしょうか。今回の記事ではその辺りについて講釈を垂れていきたいと思います。
今まではIPアドレス開示くらいだった
こうしたネット上で誹謗中傷をした際、今まで求められたのはIPアドレスの開示でした。IPアドレスというのは、簡単にいうとネットワーク上の住所みたいなものです。しかしながら、実際の住所のようにどこの誰がネットを使ったのかわかるほどのものではないです。特に、マンションによっては複数の世帯でIPアドレスを使い回しているので「誰が」を特定するのは困難です。
IPアドレスが開示されたからといって、どこの誰かは特定できないとなれば法的な拘束力は弱いと言わざる得ないですね。
電話番号の開示はかなり拘束力がある
今回の裁判で開示命令が出たのはIPアドレスだけではありません。なんと、電話番号の開示命令も出たのです。電話番号を開示したとなれば、本名や住所なども芋づる式で乗るので、個人の特定は容易です。こうなってしまえばノーダメージ理論は通用しません。自宅に裁判所からのはがきが届いてしまえば、知らぬ存ぜぬではすまないのです。
通常のやり方で誹謗中傷をしては、自分が誰だかすぐにバレてしまうようになります。
問題はプロキシサーバ
今回、何故電話番号開示まで命令されたかと言えば、この誹謗中傷がソフトバンク経由、おそらくスマートフォンから行われたものだからです。
しかし、もしこの誹謗中傷がプロキシサーバによるものから行われればどうでしょうか。
そもそもプロキシサーバって何?
プロキシサーバというのは。ネットワーク上でここを経由させることでIPアドレスを偽装し、インターネット通信事業者に自分が何をネットでしていたかを秘匿するものです。
これを使われてしまうと、電話番号を開示させようにも、そもそもどこの誰かわかならなくなるのです。
スマホでもプロキシサーバは使える
プロキシサーバは何もパソコンだけの機能ではありません、スマートフォンでも同じ用にIPアドレスを偽装する事が可能です。これをやられればプロキシサーバを経由した事まではわかっても、その後何をしていたのかわからなくなります。
ただしリスクはある
じゃあプロキシ使って誹謗中傷しまくったろ! なんて悪辣の徒も出てきそうですが、プロキシサーバにも当然リスクがあります。違法なプロキシサーバに接続してしまうと、個人情報をぶっこ抜かれたり、変なサイトに飛ばされてウィルスに感染することもあります。大した知識も無しに使用するのは危険です。
総評
結局プロキシを使われてしまうと、自分を誰かを隠す事が可能になってしまいます。しかし、プロキシサーバは接続する側にもリスクがあるので、みんながみんななおいそれと使うには向いていません。普通にネットを使う分には、通信速度が遅くなるだけなので邪魔なだけですし。なので、この電話番号の開示は結構意味のある結果でした。
因果応報。悪事を成せば、いつかはその報いを受けることになる。この記事を読んだ読者様方は、ネット上で誹謗中傷を重ねる前に、本当にその行いは正しいか、誰かを傷つける行為ではないかよく考えて欲しいです。