Windows8以降のOSには、最初からセキュリティソフトが存在しています。WindowsDefenderというこのセキュリティソフトは、プリインストールの割にはそこそこ優秀と評判です。中にはわざわざ他社製のセキュリティソフトを買う必要がないという意見まであるくらいですが、実際の所はどうなのでしょうか。
まずは性能を比較してみよう
(Image credit: AV-Comparatives)
これはリアルワールドテストという現実にWeb上で発生したマルウェアに対し、実際にどれだけセキュリティソフトが仕事できたかを測定するテストによって測定されたデータをグラフ化したものです。
ここで見て貰いたいのはMicrosoftの項目です。なんと赤い項目、防げなかったマルウェアはゼロという驚異的な防御力です。黄色は設定次第では突破されてしまうという項目です。ユーザーの設定次第では脆弱化してしまうことを意味しています。
ただ問題なのが波線グラフの部分。これは正常なファイルも誤検出してしまったデータです。ダントツで多いのはかなり気になる点ですね。
誤検出が多いのは非常に困る
これだけ誤検出が多いのは結構な問題です。正常なファイルも手当たりしだいに削除されてしまっては、快適なPCライフを送るのは困難になります。
設定次第で減らせるが……
一応設定で誤検出を減らすことは可能なのですが、そうすると脆弱な防御力になってしまうのでやはり問題でしょう。
WindowsDefenderの設定項目は、他社の有料セキュリティソフトと比べると痒いところに手が届かないというか、細かく設定できないというか、そういった印象を与えられます。
Microsoftに判定してもらえるが面倒くさい
Win10の標準機能として、実際にマルウェアか疑わしいファイルを送って判定してもらう機能も存在しています。しかしいちいち操作して送りつけなければならないので非常に面倒くさいです。
こういった地道な努力でWin10はより高性能化していくのですが、一般ユーザーにこれをやれというのは些か酷でしょう。
速度も見てみよう
確かにセキュリティ性能は重要ですが、それで快適なブラウジング速度を削られては溜まったものではありません。速度のベンチマークテストも存在しているのでそのデータグラフを掲載します。
(Image credit: AV-Comparatives)
Microsoftの項目を見ると、特別遅いというわけではないですが、やはり他社の有料セキュリティソフトと比べると、どうしても速度面では見劣りするようです。
ただ前の年のデータだとより酷い結果になっていたので、WindowsDefenderも順当に成長を続けているようです。
総評
思っていたよりもWindowsDefenderは優秀なセキュリティソフトでした。少なくともメジャーなウィルスはしっかり防いでくれるし、初期設定の状態で運用していればまずまずの防御力でしょう。
しかし設定をいじればそれだけ脆弱化する上に、誤検出も多い。他社セキュリティソフトと比べてブラウジング速度も劣ると考えると、そこはやはり無料かなといった印象を与えられます。こうしたデメリットが許容できないのであれば、やはり有料セキュリティを購入したほうが良いでしょう。
参考サイト:AV-Comparatives