2019年で一番売れた完全ワイヤレスイヤホンは、Appleから発売されたAirPodsシリーズです。確かに音質はそこそこ良いし、長時間の使用が可能など、高いだけあって性能はすごいと言わざる得ません。しかし、音質だけならソニーや他のオーディオブランド製のものの方が格上です。にも関わらず、何故AirPodsが派遣を握ったのか。その考察をしていきたいと思います。
Appleの用意周到な戦略？
iPhoneからイヤホンジャックを廃止
そもそも完全ワイヤレスイヤホンが流行りだしたのは、AppleがiPhone7から、iPhoneからイヤホンジャックを廃止したからです。廃止後はいちいち変換端子を噛ませなければならなくなりました。
しかも、最新のiPhone11シリーズには変換ケーブルが付いてこない始末。付属品のイヤホンは、Lightning端子に直接させる仕様になっていますが、他の有線イヤホンを使いたい人には優しくないですね。
ココぞとばかりに完全ワイヤレスイヤホンを登場
イヤホンジャックが無くてワイヤレスに移行せざる得ない状況を作り出しておいて、ココぞとばかりにAirPodsを販売開始。本来はiPhone7と同時期に販売される予定でしたが、技術面の問題から遅れて販売されました。ユーザーに不満を感じさせる事も販売戦略だった？
売れるものを作り出すには、自らニーズを作り出すんやと言わんばかりの販売戦略は見事に成功。スマートフォン業界で世界的シェアを握るAppleは、またたく間にAirPodsを販路に乗せていきました。
iPhoneに特化している
Apple製品は自社製品間での連携に重きを置いています。AirPodsもご多分に漏れず、特にiPhoneとの相性はバッチリです。蓋を開いただけでペアリングが開始され、タッチ操作の変更も可能。細かい設定もiPhoneから可能。スマホからここまで出来る製品が一体他社にいくつあるでしょうか。
他社の完全ワイヤレスイヤホンは基本的に汎用型です。Android端末であれば全ての端末で同じ様に接続出来ることが前提になってきます。
Appleはスマホのシェアを握っていますから、AirPodsをiPhoneに特化させても問題ない下地が整っていました。Androidで使うことも出来ますが、AirPodsはiPhoneユーザーの為の商品になっています。
知名度が違いすぎる
オーディオ分野で高い評価を得ているメーカーはいくつもあります。が、一般的な人にそのブランド名を上げてと言ったら、いくつ上がるでしょうか。日本人ならヤマハ、BOSEなどのそこまで多くないと思います。
大多数の人間がイヤホンなんてスマホの付属品を使い、壊れたら家電量販店などで千円程度のイヤホンを買っているの現実です。そんな人達が、どっかで聞いた程度のイヤホンに２万円以上も出せるでしょうか。
しかしAirPodsのメーカーはAppleです。自分や他のみんなが使っているスマホと同じメーカーです。安心感が違います。多少高くても性能は良いし買ってしまうのです。
総評
AirPodsは売れるべくして売れたという印象です。そりゃ今や誰もが持っているスマホでもトップシェアをもった会社が、それに特化したイヤホンを出せば売れるに決まってるよって話です。しかも不便さを作り出し不満を高めた上で、快適さを提供しているのだから賢い戦略です。
旧モデルは音質は普通より良い程度でしたが、それもAirPods Proになった事で改善されました。値段もあがりましたがますます性能があがったAirPodsシリーズの躍進を止めるメーカーは今後出てくるのでしょうか。
