ゲーミングデバイスを数多く夜に送り出してきているRazerは、ゲーミング向けに完全ワイヤレスイヤホンを開発しました。値段は11000円程と、完全ワイヤレスイヤホン全体を見ればミドルプライスかそれより少し高い程度の値段に落ち着いています。
低遅延でゲームに特化した音質でこの値段であれば、コスパ最強なんじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょうが、残念ながらこのイヤホンはガッカリ性能でした。
スペック
圧倒的低遅延が売りであったが
Bluetooth5.0での無線接続で、ゲーミングモード時は約60msの遅延性能です。この数値は通常のAAC接続遅延の120msよりも二倍は優秀ということになります。ちなみにaptXは70msなのでこちらよりも遅延は少ないです。
しかしやはり無線は無線なので当然遅延はあります。FPSゲームをカジュアルに楽しむ程度であれば問題ないですが、音ゲーなどはいささか厳しいでしょう。
あくまでゲーミング特化の音質
確かに、低音が強いためゲーミング用途には向いています。銃声や足音をしっかりと完治し、FPSやバトルロイヤル系のゲームで最大限のパフォーマンスを発揮してくれます。
しかしこのイヤホン。はっきりいって音質自体は良いとは言えません。インナーイヤー型の宿命か全体的にぼんやりした印象を与えますし、高音と中音は他の音域と混ざりがちで、クリアとは言えません。
短すぎる使用時間
ゲームは一日一時間という人であれば問題ないでしょうが、こういうイヤホンをわざわざ買うゲーマーであればぶっ続けで3時間以上ゲームをすることも多いでしょう。しかしこのイヤホンは低遅延の代償を稼働時間で払っているので、長時間遊ぶには向いていません。
いくらケースをあわせて18時間再生できると言っても、結局充電中はこのイヤホンは使用できないわけで……
タッチセンサーが微妙にシビア
タッチセンサーが微妙にシビアな操作を必要とします。ゲームモードに切り替える際は必ずタッチセンサーで操作を行わなければなりませんが、たまに失敗する程度には操作性は良くないです。確実な操作を可能とする物理式ボタンを採用したほうが良かったのではと思います。
良い所もある
けなしてばかりでしたが別に何もかも駄目というわけではありません。うどん型なので通信強度はありますし、マイク性能もそこそこ優秀な部類です。しかし値段を考えるとどうしても残念感が漂ってきます。
音質に関してもあくまで通常の音楽を楽しむ向けではないだけで、ゲーミング用途として考えれば上等な部類でしょう。
総評
良い点
- 低遅延モード
- ゲーミング向けの音質
悪い点
- 使用時間が短い
- タッチセンサーが微妙
あくまでカジュアルなゲーマー向けの完全ワイヤレスイヤホンです。ガチゲーマーは有線を買ったほうが良いですし、ゲームをしないのであればそもそもゲーミング使用のこの製品を買う必要はないでしょう。
しかし、近年はアプリゲームのおかげでカジュアルにスマホでゲームを楽しむ人も増えてきているので、そういった人には中々需要を満たしている完全ワイヤレスイヤホンだと思います。