StadiaはGoogleが提供していたクラウドゲームサービスです。サービス開始直後は革新的な技術でゲームが遊べると話題になっていましたが、結局は空気になって廃れてしまいました。
今回の記事では、なぜGoogleのStadiaが提供終了まで落ちぶれてしまったのかを解説していきます。
そもそもStadiaとはなんなのか
Googleが提供しているクラウドゲームサービス、もといゲームストリーミングサービスです。Steamなどと違って、共用クラウドストレージ上にゲームが置かれていて、そこからインターネット通信を介してゲームを遊ぶという、動画ストリーミングサービス的なシステムを取っています。
コレ自体はPS nowなどの同様のサービスがすでに存在していたのですが、本サービスは4K画質60FPSでゲームが遊べるという触れ込みだったので、これは革新的なサービスになるぞと最初は期待されていました。
その期待は見事裏切られる事になりましたが。
ちなみにこのサービス、日本ではまだ正式には提供されていないのであしからず。
Stadiaのここが駄目だった
高解像度高FPSはすべてのユーザーが体験できるわけではない
上記で述べた通り、このゲームストリーミングサービスで4K60FPSを安定して出すのは非常に難しいです。
Google側がどれだけ頑張ったとしても、ユーザー側の通信速度に左右されるクラウドゲームサービスの現状の技術では、全てのユーザーがその素晴らしいゲーム体験をすることは不可能だからです。
それなのにGoogleはこんな触れ込みでサービスを開始してしまったものだから、出だしで反感を買ってしまったわけです。
基本的にガチなゲーマーでもない限り、ネット回線は高速なものを使用しておらず、多くは有線接続すら使っていません。そんな状態で、高解像度で美しいグラフィックの、PS3以降の世代のゲームを遊ぶなんてのは中々に難しいものがあります。
そしてガチゲーマーの多くはストリーミングサービスでゲームを遊ぶ事自体はあっても、本腰入れて遊ぶのはやはりダウンロードして遊ぶゲームなので、ちょっと噛み合わせが良いとはいえないですね。
また、我々日本人のような先進国に住んでいるようなユーザーであれば、比較的恵まれた通信環境に居ますが、諸外国ではそうも行きません。ゲームなんて遊ぶ余裕もないような発展途上国は別にしても、そこそこ発展しているような国においても、高速ネット回線というのはお金を積みまくっても難しい状態であり、世界規模で見ればむしろ満足に遊べるわけではないのです。
そういう事情もあってか、日本を含めた世界各国で配信されているわけでもなく、現状遊べる国は14ヶ国と非常に小規模です。
遊べるタイトルが少ない
すべてのユーザーが高解像度高FPSで遊べないというのは他のゲームストリーミングサービスでも同じです。ではなぜStadiaがこうも廃れてしまったのか。反感を買ったとしても挽回する機会はいくらでもあったはずなのに。
それはStadiaのゲームタイトルが少なかったからです。ゲームストリーミングサービスで最大手といえるPS now(現在はplusに統合)では400以上も存在しています。一部期間限定のものもありますが、入れ替わりで新しいゲームも入ってくるので、飽きずに遊ぶことが可能でしょう。
しかし、Stadiaはゲーム数が少なく、開始時のローンチタイトルは12本しかなかったし、現在のタイトル数もPS plusの半分もないというのが実情です。この有様では、わざわざStadiaを契約して遊ぼうという人は非常に少ないでしょう。
さらに、PS PlusだったりXbox Game Passには自分たちの用意したゲームタイトルもあって、それで呼び込みをかけることが可能なのに対し、Stadiaはすべてサードパーティ製のゲームタイトルです。これはもう他に勝つことはできないでしょう。
金銭面でも負けている
各サービスの月額は以下のようになっています。
- PlayStation Plus :850円
- Geforce Now :1980円
- Xbox Game pass :850円
- Stadia :1080円
現在人気のゲームストリーミングサービスを並べてみると、Stadiaはそこそこ高い方なのがわかりますね。
Geforce Nowが群を抜いて高いですが、こちらは無料でも約80タイトルが遊べるので、そことの差を設ける為の価格になっています。
PS Plusには年間払いで5134円になる大幅減額プラン、Xbox Game Passには初月100円という割引精度もあり、Stadiaが料金面でも大幅に遅れをとってしまっているのが伺えます。
まとめ
技術面ではいくら勝っているといっても、ゲーム市場というのは面白いゲームタイトルがどれだけ遊べるかで勝敗が分かれます。かつて日本でも、ドリームキャストというハードが高性能でしたが、結局ゲームソフトの数で大敗し、生産終了まで追い込まれています。
出だしで挫き、ゲームタイトルも少ない、料金も他と比べて高めとあっては、流行らなくても仕方ないでしょう。