アサシンクリードシャドウズが現在大炎上している件をご存知でしょうか。実際、ゲームが炎上してるけどたかだかゲームで何を騒いでいるのかと思っているひとも多いと思います。
しかし、実際のところ、アサシンクリードシャドウズ自体のは、現在かなり香ばしい点はありつつも大炎上の火種は別の所にありますし、それを知ればたかだかゲームの問題ではないというっことがわかると思います。
今回はアサシンクリードシャドウズが、なぜここまで炎上しているかについて解説していきます。
アサシンクリードシャドウズ炎上問題
弥助が黒人初の侍という解釈
ことの発端はアサシンクリードシャドウズの主人公に抜擢された、弥助という人物についてです。そもそもアサシンクリードシリーズは、これまで歴史上の人物は主人公にしたりはしなかったのですが、今回のシャドウズは日本が舞台で、歴史がとても長い為にシナリオ制作が難航していたそうなんです。また、ここにポリコレへの配慮もしなくてはならず、とても大変だったそうです。
そんな中、彼らにはある情報が入ります。
『戦国時代、織田信長の家臣には弥助という黒人の侍がいた』
黒人の侍、弥助。そんなワードを聞いてアサシンクリードの制作会社、Ubisoftはこれだと閃きました。黒人侍を主人公にすれば、ポリコレへの配慮ができるし、何より日本で黒人侍がいたとなればスター性も高いですからね。
しかし弥助が実際に侍だったかというと、そこは解釈がわかれます。まず弥助って、
- 宣教師が連れていた黒人奴隷だった
- 肌が黒く洗っても落ちないので信長が驚き譲ってもらった
- 信長が気に入って側に置き小姓として扱った
- 腰刀を与えられ、荷物持ちもやっていた
- 本能寺の変の時にもいたが、光秀に見逃された
このくらいの情報しかないんですよね。仕えていた期間も、およそ１年ほどなので功績もそこまで上げられていないので、将来的に侍待遇になれたかもしれない可能性はあったでしょうが、当時侍待遇だったとは言い難い面も強いです。
AI生成コンセプトアートの問題
まあ弥助の問題に関しては、解釈がわかれますし、そもそもフィクションですのでそこまでボコボコにしなくてもと、思う人の気持ちもわからなくはないです。しかし、これはあくまで氷山の一角でしかありません。
まずUbisoftは本ゲームのコンセプトアートを作成したのですが、これはイラストレーターが描いたものではなく、AIに描かせたものです。しかしAIがやらかしてしまいました。
まず戦国時代には当然存在するはずもない、関ヶ原鉄砲隊の旗のデザインをまるまる使ってしまったとか、当然肖像権があるはずの家紋などの無断使用など。しかもこれらで実際に苦情が入った際に、サイト上のものなどは消せるけど、印刷した奴は無理と、めちゃくちゃな事を言い始めたのです。いやそこは印刷物の提供は中止しろよと。
ジャパンエキスポでワンピースの刀を弥助の刀として展示
ジャパンエキスポにてアサクリブースを展開していたわけですが、そこで弥助の刀として紹介されていたものがこれまたやばいです。その刀は三代鬼徹。あまりワンピースに詳しくない人向けに説明すると、麦わらの一味であるロロノア・ゾロの刀の一本です。
ワンピやないかい。集英社まで敵に回していくスタイル。ついでに一緒んい飾ってあった日本人形っぽいそれは中国製です。
結局のところ、アサクリシャドウズが炎上している原因って、ポリコレに配慮してもコンプライアンスは配慮どころかガン無視しているわけです。そりゃ炎上するわなと。
歴史の改変者トーマス・ロックリー
さて、ここまでの説明では、結局ゲームの問題じゃんとなったと思います。しかし弥助問題について説明した際にちらっと出てきた情報の発信源、日大准教授であるトーマス・ロックリー。彼こそが火種の真の原因だと言えるでしょう。
彼はなんと2015年の頃から弥助の魅力に取り憑かれていたようで、自身の妄想ともいえるような弥助のネット小説みたいな話を、さも史実のようにWikipediaの外国語ページで編集を続けていたのです。しまいには弥助に関する論文や、書物まで発行してしまうし、シャドウズの炎上で著作本が宣伝されて嬉しいとまで嘯いていました。
挙句の果てには『黒人奴隷は日本発祥』『戦国時代の大名達は、黒人奴隷を連れていることがステータスだった』『日本人は黒人奴隷を買い付けるためシルクロードに行っていた』などという、事実無根の捏造かつ風評被害のような話を、さも史実のように広めてしまったのです。
もしこれらが本当のことのように周知されてしまえば、韓国の慰安婦問題のようになりかねないほどの危険さがあります。
まとめ
これ以外にも、シャドウズの日本の再現度がかなり低い点(春に稲刈り、神社でお香焚き、戦国時代なのに武士は全員正座)などもあるし、制作陣のアジア全体の蔑視なども浮き彫りになってしまったため、炎上してしかるべき案件なのです。
たかだかゲームの話ではなく、裏では実際の日本の歴史そのものが歪められ、黒人奴隷を使ってきたという悪評まで立てられていることは知ってほしいですね。
