昨今では格安タブレットも目覚ましい進化を見せてきており、昔にありがちだった低価格低性能で、いちいちフリーズを頻発しがちだったものとは変わって、低価格はそのままに、ネットサーフィンや動画鑑賞くらいであれば、特にストレス無く使えるものが増えてきています。
今回レビューしていくAvidPad A90は、実売価格3万円ほどで買えるAndroidタブレットながら、普段遣いに困らない良品となっています。
製品特徴
普段遣いなら困らない処理能力
このタブレットのSoCには、MediaTek Helio G99というものが搭載されています。これはMediaTekがエントリーからミドル端末向けのチップとして販売しているもので、安価な割にそこそこ処理能力が高いというのが売りのものになっています。
最近の低価格帯のタブレットには、これを採用するのが流行っているらしく、実際にAmazonなんかだと、このSoCを搭載したタブレットは結構見かけます。
実際の使用感としては、ネットサーフィンや動画鑑賞、ネットニュースなんかを見る際には、特にストレスを感じることもなくサクサク動いてくれていると感じました。
流石に普段使っている、ハイエンドスマートフォンなんかと比べると、見劣りする部分もあるのですが、仮にこの性能のスマホをメインに使ったとしても、困る場面は無いでしょう。それくらいには快適でした。
しかし、この処理能力というのは、あくまでもCPUスコアが重要視される部分に関してです。上記の画像のAnTuTuスコアを見ると、GPU性能はお世辞にも高いといえないというのがわかると思います。もともとスマホ向けに開発されているスマホゲームは、タブレットの大画面で遊ぶには向かないというのもあるのですが、このGPU性能の低さでは、ゲームに関しては期待しないほうが良いです。
筆者がスマホゲームで定期的に遊んでいるゲームは、遊戯王マスターデュエルというものなのですが、デジタルカードゲームというそこまで動きのない、3Dが少ないゲームにおいても、設定項目で解像度を1つ下に落として、アンチエイリアスを切らないとカクカクになってしまうくらいでした。
Widevine L1なので動画鑑賞には向いている
Androidタブレットには、著作権保護のランクのようなものがあります。Widevineというものなのですが、これが低いとAmazon PrimeビデオやNetflixなどで動画鑑賞しようとすると、低画質でしか再生できないという問題があるのです。
しかし本製品のWidevineはL1となっているので、これらの有料動画配信サービスであっても、しっかりと高画質で再生が可能となっています。
発熱はほとんどしない
最近の高性能なスマートフォンって、かなり発熱しやすいと思います。あれは使っているSoCが高性能なぶん、発熱も強めだからちょっとした作業でも熱を持ってしまいやすいんです。
中にはこの熱への対処が下手くそで、夏場に写真撮影をするとフリーズしてしまったりしてまともに使えなくなるスマートフォンなんかもあるみたいです。お前のことだぞAQU◯S。
しかしこのタブレットにはそういう心配はありません。一昔前のMediaTek製のSoCは性能も低くて爆熱で電気馬鹿食いと最悪な仕様だったのですが、現在は流石に技術力も向上しており、Qualcommのライバルと言えるくらいにはバランス良くなってきています。
事実、このHelio G99を搭載しているAvidPad A90ですが、ベンチマーク中すらちょっと暖かいくらいの発熱に抑え込まれており、バランスの取れた性能になっていると感じました。発熱はSoCをへたらせてしまい、最悪故障にも繋がりますので、ここはいい塩梅になっていると言えるでしょう。
大きい割には軽い
このタブレットは12インチタブレットとなっており、サイズ的には一般的な10インチタブレットよりも一回り大きな仕様となっております。
実際、Galaxy Tab S6 Liteと比べると、これだけのサイズの違いがあります。
背面筐体は金属製となっており、肌触りが良くて質感も悪くないです。金属なので冷却性能も申し分ないでしょう。
そして、このサイズ間と材質の割には、重量が軽いんですよね。12インチもあるわりには重量はおおよそ535グラム程度しかなくて、片手で持っていても負担が全然ないんです。勿論、それでバッテリーをケチっているとかそういうこともなくて、持ち運びなどの取り回しもかなり良好です。
いくら安くて高性能でも、グラム数が重くて使いにくかったら話にならないですからね。
ディスプレイは結構きれい
使われているディスプレイはIPS液晶です。なので最近の有機ELと比べれば視野角などもあって劣る部分はあるのですが、それでも低価格のタブレットの中では十分きれいだと思います。
写真だと微妙なのですが、実物はちゃんと普通にきれいなのでご安心ください。
ベゼル幅はスマホと比べれば太く見えるかもしれませんが、そもそもタブレットでベゼルを補足しすぎると、手を置く部分が無くなって、ミスタッチが起こるのでこれくらいがちょうど良いと思います。
SIMとMicroSDカードにも対応
この製品はWi-Fi接続以外にもSIMカードでのネット接続にも対応しています。なので外で使う際にもネットを使いやすいです。
なにげに対応バンド幅も広くて、日本での大手回線にはばっちり対応しています。設定上はauの回線にも対応していますが、au回線は色々と特殊なので、実際に動くかどうかは保証できませんのでご了承ください。
そいて現代においては殆どの有名メーカー製品では排斥されてしまっている、MicroSDカードにもバッチリ対応している点も評価できます。
メモリが無駄に多い
最近のAndroid端末の多くには、RAMの拡張機能というものが搭載されています。通常のストレージ容量の一部を、メモリに割り当てることで実際に搭載されているメモリ数よりも多くできるという機能です。
この製品のそれは16GB拡張という、ハイエンドスマホでも中々見ない数値となっており、もともとの8GBと合わせて最大24GBという、Windowsパソコンの適正値よりも多くなっている点が面白いです。
この機能を使うと本体ストレージが減るというデメリットもあるのですが、このタブレットのストレージは256GBあるので、たかだか16GBをそちらに割いたところで影響は殆どないと思います。前述の通りMicroSDカードでストレージ増設も可能ですしね。
付属品について
付属品は充電器、ケーブル、SIMピン、説明書と中華タブレットでは一般的な構成となっています。
この充電器ですが、最大10Wしかでない低性能なものなっています。ケーブルも多分PD充電には対応していないものなので、これだと急速充電には使えません。
なにげに説明書がちゃんとしており、日本語のみの日本向けに用意された説明書が入っています。多くのタブレットがペラ紙に各言語で簡易説明だけな内容なので、ここは気合が入っていると思います。
あと、最初から保護フィルムが貼られていますが、このフィルムはあまり良いものではないです。指の滑りが悪くて引っ掛かりますし、指紋や擦り傷なんかも付きやすいです。ある程度使って擦り傷が目立ってきたら、保護ガラスに買い替えたほうが良いですね。
充電に関して
本製品は急速充電に対応していて、最大でPD18Wとなっています。これはダイソーで充電器とケーブル一式を揃えても、1000円ほどで購入できるので、素早く充電したかったらそちらを購入すると良いです。
バッテリーは8180mAhあるので、スマホと比べれば大容量です。SoCが省エネ気味なのもあって、電池持ち自体は良いのですが、急速充電も最近のスマホの超出力なものには劣ります、満充電に1時間強かかるというのは惜しいですかね。
顔認証対応
本製品は生体認証である顔認証に対応しています。やすいタブレットだと生体認証非対応で、いちいちパスコードを入力させられることもありますが、本製品ではそんなことはありません。
顔認証の速度も普通でスマホのそれと顕色無くロック解除できるので、使い勝手が良いですね。
実売30000円ほどで買える
一応この製品は45999円という価格設定になっているのですが、実際は頻繁にある割引だったりクーポン配布などで、実売価格は3万円ほどになっています。割引商法かな?
定価だであれば、Xiaomiのもっと高性能なタブレットも買えてしまうので、高いと思いますが、3万円と考えたらかなりお買い得な製品だと思います。
ちなみに筆者はクーポンと、合わせ買いキャンペーンでメーカー純正ケースをセットで購入したため、ケースと合わせて3万円を下回るというかなりお買い得に購入が可能でした。
まとめ
良い点
微妙な点
- ゲーム性能は低い
- 保護フィルムが良くない
- 付属充電器がしょぼい
- 急速充電でも時間がかかる
12インチタブレットの中では値段と性能のバランスがかなり良くて、非常に良い製品だと思います。本当に使い勝手が良好なので、ゲーム目的以外ならこれで十分、これでマストな製品だと感じました。
3万円で買えるのであれば買い時なので、タブレットがほしいという人にはおすすめの製品だと言えるでしょう。