大変なことが発覚しました。多くのファンがいる格安中華イヤホンブランドのKZですが、なんとスペック詐欺を一部の商品で行っていることが判明しました。
KZはYoutube上でも多くのレビュワーが動画を上げているし、私自身安くてオモシロイイヤホンとして、イヤホンブログの方で何度も取り上げてきました。
そんなKZの製品がまさかのスペック詐欺をしていたなんて衝撃を隠せません。
今回の記事では、このKZのスペック詐欺について解説していきます。
そもそもKZってどんなブランド?
まずKZというブランドをよく知らない人向けに解説していきます。
このブランドは中華ブランドで、低価格にも関わらず、複数の音を発生するための装置、ドライバを搭載したイヤホンを多数販売しているブランドになります。
今日では、2つくらいであれば複数のドライバを搭載している低価格イヤホンも珍しく無くなってきて入るのですが、このメーカーはちょっと数が違います。5000円程度の価格でもドライバが片側5個や6個は当たり前。1万円を超えるともはや10を超えてくるなど、他ブランドでは考えられないくらいのドライバ数を搭載してきます。
もちろん、ドライバが多い=音が素晴らしいというわけでもないですが、値段よりはそこそこいい音を出しつつドライバも多いイヤホンを多数販売しているとのことで、面白い中華イヤホンブランドとしてこのKZおよび姉妹ブランドのCCAは地位を確立していました。
しかしこのドライバはまやかしだった
しかしKZ、盛大にやらかしていました。というのも大量に積まれたこのドライバですが、なんと仕事をしていない、つまり音をそもそも出す設計になっていなかったのです。
KZとコラボした海外の有名レビュワー、crinacle氏によるリーク情報で発覚したのですが、彼いわくコラボモデルであるイヤホンのMSTとBAが音を出していないというのです。
音質自体は彼の頼んだ調整に仕上がっているのですが、この時点でちょっとおかしいですよね。しかも本来はMSTではなくESTを積んでいる筈のモデルですし。
で、この報告を受けて、有志の方が手持ちのKZイヤホンを分解したところ、次々と不正が発覚していきます。
ダイナミックドライバ3機構成なのに、一つはそもそも繋がっていなかった。BAを固定するレジン部分に穴がないので音がでない、そもそも回路が繋がっていないなど。
ドライバを多く積んではいますが、実際は機能していない飾りだったのです。
確かに積んではいる。しかし音は出していない。なんなら静電ドライバを開発したなんていって、実際にはマグネットスタットだったなど、次々とKZの嘘が露呈していきました。
なんでこんな馬鹿な真似をしたのか
音を出すように積んでないだけで、積まれたドライバ自体はちゃんと音のでるものです。ではなぜ部品代だけかさむのに、こんな愚かな真似をしたのでしょうか。
私個人の推測ですがその理由は大きくわけて2つです。
まず一つ、単純にドライバ数を大きく見せれば、そのイヤホンが強そうに見えるからです。これは何もドライバ数の話だけではなくて、ケーブルでも一時期24芯のものが大手を振って宣伝されていました。
数字が大きくてなおかつ値段が安いのであれば、みんな気になって買うのは仕方ないことでしょう。
こうした購入者側の心理を読んだ、販売戦略なのは当たっていると思います。
そして、もう一つの理由ですが、KZにはそれだけのドライバ数を調整するだけの技術力と開発資金が不足しているという理由です。
イヤホンの音作りというのはかなり大変で、一人ひとり聞こえた方の違う、正解なんてどこにもない抽象的すぎる音を作っていけなければいけません。そして、ドライバ数が増えればそれだけ一つ一つにおける調整が必要になってきます。
KZはとにかく大量のBAを搭載しているので、その分だけ調整が必要になり、それを行うだけの技術力も資金もなかったのではないかと。
実際KZの製品には、似たような音のイヤホンも結構あるし、実はハウジングがちょっとだけ違うものの、中のドライバや調整は全く同じイヤホンもそれなりにあります。例えばKZ ZEXとCCA NRAもかなり似たりよったりな音です。
KZの多くのイヤホンはクリアで中身が見えるようになっているので、まさか分解してまで中身を解析するような奴は出てこないだろうという考えだったのでしょう。
KZは故意ではなく過失だと弁名
KZはインスタグラムにて、今回の騒動は故意ではなく過失によるものだとして、謝罪文を掲載しています。
ただESTではなくMSTだったことには触れてもいないし、個人的には疑惑は疑惑のままですね。
まとめ
スペック詐欺をしていても、KZのイヤホンってたしかに低価格帯の中では音が良いんですよね。これだけは今でも褒められる点でしょうか。
ただこういうことをされてしまうと、今後このブランドのイヤホンをすすめることも厳しくなるし、何より私自身購入欲が0になってしまいました。
しかもKZは中華イヤホンの中では結構有名なブランドだったので、中華イヤホン業界全体に影を落とす結果になってしまいました。実際これだから中華製品は、なんて意見もでてきてしまっています。
今後はKZがしっかりと反省して、禊を終わらせてくれることを祈っています。