昨今のキーボード界隈において、多くの製品がメカニカルスイッチを交換できる機能、ホットスワップを搭載してきています。しかし、それは英語配列のモデルの話であって、日本語配列でホットスワップ対応機種というのは中々に数が少ないです。
また、それがフルサイズの日本語配列キーボードともなってくると、キークロンという高級キーボードブランドのものくらいしか無いし、ハイブランドなのでお値段も相応に張ってきます。
そんな中で最近になって新たに販売された、iKBCのメカニカルキーボードCD108は、価格をそれなりに抑えながらも、機能的に優れているものとなっています
製品特徴
日本語配列フルキーボードでホットスワップ対応
日本語配列フルキーボードでありながら、ホットスワップに対応している。この数少ない特徴こそが、この製品の最大の売りと言って良いでしょう。
ホットスワップ機構を備えていることで、メカニカルスイッチが抱える最大の弱点である、チャタリングなどのキースイッチの故障に対し、交換による簡単修理が可能となるのです。
また、キースイッチが通常とは上下逆さまになるように配置されている点もポイントが高いです。何故キースイッチを逆さまにすることが利点になるのかというと、通常Cherry互換スイッチを使うと、スイッチよキーキャップが干渉して雑音が発生してしまうことがあります。
しかし、ここであえてキースイッチが逆さまにセットできるようにすると、この干渉による雑音の発生を防ぐことが可能となるのです。
ただこのホットスワップ機構、ちょっとだけ難点がありました。それは純粋にスイッチが硬くて、中々抜き取ることができない点です。最悪の場合スイッチ自体が破損してしまうこともあるので、スイッチ交換の際には気をつけて抜かないといけません。
Gateron Pro スイッチを採用
標準で搭載されているメカニカルスイッチは、Gateron Proスイッチシリーズになっています。これはどういうスイッチなのかというと、一般的なCherry互換スイッチに、潤滑油を塗って滑りを良くしたものになります。
これまでの一般的な互換スイッチの中には、擦れる音が混じってしまう低品質なものも多かったのですが、この潤滑油を使うようになったことで、滑らかな打鍵感と擦れ音の混じらない打鍵音を手に入れています。
特にGateron Pro Red軸は評判が良くて、価格が控えめなのに素晴らしい打鍵感と打鍵音ということで、ホットスワップ愛好者や自作キーボードでもメジャーなスイッチとなっています。
このキーボードではGateron Pro スイッチシリーズの中から、赤、青、茶の三種類から選択することが可能です。筆者は赤軸を購入しましたが、心地よい打鍵音とスコスコした打鍵感に大変満足しています。
静音フォームで反響音対策
たまにメカニカルキーボードの中に、タイピング中に中の金属に反響してキンキンと雑音が混じってしまう機種があります。これは安物だからというわけではなく、時として有名ブランドの結構高いキーボードでも起きうる事象です。
このキーボードはその反響音に関しても対策が施されていて、内部に静音フォームが仕込まれていて、これにより反響音が発生しないようになっています。
PBTキーキャップ採用
キーキャップはPBT素材のものを採用しており、質感がかなり良いです。また、PBT素材というおかげもあってか、皮脂汚れがつきにくく、長期間つかってもキートップがテカテカしてくるといった問題が起きにくいです。
印字部分はダブルショットではないものの、昇華印刷というREALFORCEなんかでも印字ハゲが起きにくいとして採用されているものなっており、経年劣化に強くなるように製造されています。
また、フォントも何やらあまり見ないポップな感じのものになっていて、よくよく見るとちょっと可愛げを感じてきます。
ケーブルは交換可能
ケーブルの抜き差しに対応しており、スマホの充電ケーブルなんかで一般的なType-Cケーブルでの有線接続になっています。
ただし、断線対策のために内部にケーブルを格納するような仕組みになっているので、ケーブルによっては太さ的に入らないとか、頭の部分が干渉して入らないということはありえます。
専用ケーブルでしか使えないという程の縛りではないですが、ちょっとした相性があることは覚えておいてほしいです。
チルトスタンドは二段階
スタンド部分は二段階で角度調整が可能です。有名メーカー品でも一段回のみという事は結構あるので、これは嬉しいポイントだと思います。
付属品について
キーボード本体の他に、ケーブルと引き抜き工具、そしてカバーがついてきます。
まずケーブルですがこれは至って普通のType-Cケーブルです。相手口はUSB-Aとなっているので、一般的なパソコンで使いやすいです。
引き抜き工具はキートップとキースイッチの両方が抜けるようになっています。
そして最後にキーボードカバーです。これはどうも英語配列の形に合わせて作られているものなのですが、日本語配列でも普通に被せて使うことが可能でした。
キーボードにカバーをかけておくというのはかなり重要でして、そのまま使わない時も放置していると途端に埃やらゴミが入り込んでしまうんですよね、しかし、キーボードカバーがあればそんな鬱陶しい埃からキーボードを守ることが可能になります。
まとめ
これだけ機能がもりもりながら、値段は16,000円台とかなり頑張って抑えたメカニカルキーボードになっています。価格だけ見ればキーボードとしては高すぎないかと思う人も多いでしょうが、機能面を考えるとむしろかなりコストパフォーマンスが良いように感じます。
普段遣いするキーボードで良いものが欲しいという人には、イチオシなメカニカルキーボードになっています。