PlayStation Vita。それはソニーが出した最新にして最後の携帯ゲーム機です。当時としてはかなり高い性能と、美しい画面ディスプレイなど、前作であるPlayStation Portable、通称PSPと比べても非常に優れた面も多かったのですが、あまりにも売れなさすぎましたね。
今回はその理由について考察していきます。
PlayStation Vitaが全然売れなかった理由
独自規格に走りすぎた
前作であるPSPですが、実はこれかなり売れた反面、かなりCrack被害にあっていました。ゲームソフトは中身を吸い出されて、インターネットでばら撒かれ事実上フリーソフトみたいに扱われていたし、本体自体もカスタムファームウェアを使えば、それらのばら撒かれてROMをメモリカードに入れて遊べるなど、かなりやりたい放題されていました。
こんな有様だったので、流石にSONYもかなりセキュリティ面に力を入れました。ソフトディスクからカセット方式にして、吸い出し機を作りにくくしたり、データ転送・充電に使う規格も独自のものにしたり(後期型ではやめた)、相変わらず専用のメモリカードだったりと、独自規格ばかりでした。
出たばかりのころは純正品しかまともな選択肢がなかったし、その純正品のアクセサリー類は常として値段が高いものなので、とくにメモリカード代までかかって、本体も値段が高いとなれば、売れ行きに影響が出てくるのも仕方ないでしょう。
ソフトがあまりにも少ない
PS Vitaの発売されたソフトの数は、1742だそうです。これは前作であるPSPのソフト数が3900であることを考えると、およそ半分だけしかありません。また世代的にライバルである、3DSと比べると、あちらは1500本くらいなので、若干多くは見えます。
しかし、実はPS Vitaのソフトって、Vitaだけで展開しているソフトってかなり少ないんです。例えばPS3との同時販売でクロスプレイ対応のソフトだったり、元がパソコン向けの恋愛シュミレーションゲームで、それからR-18部分を削ったり、追加でちょこっとシナリオが追加されていたりとか。
完全にVita限定で販売してますというソフトは、思ったほど無いんですよね。
特にモンハンシリーズにそっぽ向かれてしまったのが痛くて、今までPSPの売れ数を支えてくれた、大人気シリーズは3DSへと移行してしまい、Vitaでは旧作が遊べる程度にとどまっています。
Vitaといえばこれというゲームソフトが、ぱっと浮かんで来ないというのは問題でしょう。
それに比べてライバルの3DSは独自ソフトが多いですし、ゲームハードとしてはかなり革新的な新機能を積んでいたりして、完全にそういったアイディア力で負けてしまっています。
結局セキュリティは破られるわけでして
ATM並のセキュリティを実現なんて息巻いていたわけですが、現実にはVitaのセキュリティなんて破られてしまっています。カスタムファームウェアを入れ、サードパーティ製のMicroSDカード→メモリカード変換機を用意され、PSPのように結局ソフトはCrackされと、まさに踏んだり蹴ったりです。
そもそも一般ユーザーとしては、携帯ゲーム機が割られてソフトがばら撒かれているなんてのはどうでもいい事象であり、それよりも快適かつ安くアクセサリー類を入手したいのが本音なんですよね。
ユーザーを置いてきぼりにして、自社製品の権利を守るために全力を注ぐというのは、ゲームの面白さや快適さに直結しない部分なので、ほんとどうでもいいんです。
まとめ
面白いソフトももちろんありますし、筆者としては悪くはないと思う携帯ゲーム機ハードであるのですが、いかんせん独自ソフトの選択肢や、アクセサリーの値段の高さがハードルであると思います。
筆者も当時特定のゲームソフト欲しさに購入してみたものの、以降は欲しいソフトなんて中々でてこなくて、結局いくつかゲームを遊んだあとは、そのままダンボールにしまわれていたというのが実情です。
この失敗を受けて、SONYは新型の開発をしなくなったのですが、もうスマホ全盛期の今ではこいつの後継機は出てこないと確信を持てますね。