流石にお高いイヤホンばかり購入している代償か、筆者の耳は肥えてきました。私のようにそこそこ良い有線イヤホンを使っている人からすると、流石にアンダー10000円の完全ワイヤレスイヤホンの音質だと物足りないという人は多いはずです。
そこで、ならばいっそ高級TWSを試してみようという考えにいたり、20000円近いTWSを購入いたしました。今回紹介するのは、NUARLから発売されたフルスペックな完全ワイヤレスイヤホン、N10 Plusになります。
製品特徴
高解像度で抜けの良い音質
当イヤホンの音質は抜けの良いドライでかりっとした音質です。
全体的に見てバランスの良い、フラットともいえる音質になっていますが、特に力をいれているのは高音域かなと。とにかく明瞭感があり、低価格帯のTWSとはクリアさが違います。
流石に同価格帯の有線イヤホンが相手だと厳しいですが、TWSの中では非常に良い音質です。
マイク音質はまあまあ
流石に内蔵マイクなので音質的にはそこまで良いとも言えませんが、通話品質は十分なものです。特にノイズが走ったりする事もないので、電話や短時間のボイスチャットなら特に問題はないでしょう。
コーデックについて
流石に高級モデルだけあって、SBC、AAC、aptXにフル対応しています。特に割と新しいコーデックである、aptX Adaptiveに対応しているのもポイントが高いです。
aptX Adaptiveは可変ビットレートに対応したコーデックで、使用環境にあわせて自動で調整することで、接続強度を調整してくれる便利な機能です。
流石にこのご時世に人混みに入るのは憚られるのでそこまでテストはしていませんが、スーパーの買い出しでそこそこ混んでいる時もまったく途切れたりしませんでした。
アクティブノイズキャンセリングも素晴らしい
このイヤホンのアクティブノイズキャンセリング用のマイクは一つなので、ANCの効きはそこまで強くないとされています。
しかし、実際に使ってみると十分すぎるくらいに働いています。特に低音域系の騒音には強い効力をもっており、至近距離で扇風機を全開にしてもまるで気になりませんでした。
なお本機のANCはソフトウェアから強度の変更が可能で、三段階で調整できます。上記の扇風機での結果はその内の2段階目、バランスモードでのものです。
安い機種のANCにありがちなホワイトノイズ問題もないし、音質の影響も思ったより少ないです。ANC特有の圧迫感に関して多少感じましたが、疲れる程ではありませんでした。
外音取り込み機能も良質
アンビエントモードの性能も極めて良好です。とくにノイズや加工された感じもなく、相手の声も自然に聞くことが可能です。
この機能もソフトウェアで設定が可能であり、ミュートに切り替えたり小音化するなどの設定も可能です。
ゲーミングモードについて
低遅延のゲーミングモードもありますが、これはまあ並といったところ。動画や通常のゲームであればそこまで遅延は気になりませんが、音ゲーではちょっと厳しいと思います。
また音質の劣化も明確に感じるので、基本的にはゲーム用と割り切って使うべき代物です。
マルチポイント接続は微妙
当イヤホンは同時に2台と接続可能なマルチポイント機能を搭載していますが、私の環境下ではちょっと微妙な感じでした。
Creative製のオーディオBluetoothレシーバーとスマホで接続した際は、まともに機能せず後から繋いだ方にしか繋がりませんでした。
WindowsPCに汎用Bluetooth接続した際は、左右別で繋がる場合や、PCにしか繋がらない場合もあってやはり安定しませんでした。
ソフトウェアについて
このイヤホンはソフトウェアにも対応しており、スマホアプリをダウンロードすることで設定の変更が可能です。
ただそこまでカスタマイズ製は高くないです。もちろん必要十分な機能は揃っていますが、各項目は設定可能でも、それを事細かくカスタマイズすることはできません。2~4つある設定の中から一つ選んで、という感じです。
特に前機種のN10 Proと比べると、イコライザ項目が2つだけと少ないのも残念です。イコライザ設定は再生アプリで弄れということでしょうか。
ファームウェアの更新もこのアプリから行えるので、本機を使用する際は特に設定する気はなくとも入れておいた方がよいでしょう。
見た目に関して
イヤホン、ケース共に質感は決して安っぽいものではなく、光沢感のあるブラックカラーでおちついています。少々指紋がつきやすく、傷が付きやすそうなのがネックです。
ケース自体はそこまで大きなものではありませんが、イヤホンに関しては結構大きいです。上に向かって伸びる感じなので装着感がキツイという事はありませんが、最初はちょっとどうつけるか迷いました。
付属品の質は良い
付属品はイヤーループ、イヤーピース、充電ケーブル、説明書です。
イヤーピースは抗菌仕様のしっかりとした作りのものがついてくるので、そのままでも十分使っていけます。
しかしこのイヤホンはケースの関係上、TWS向けの高さの低いイヤーピースでないとピッタリ収めて収納することができません。
また、N10 Proについていたフォームタイプのイヤーピースは付いていないのが残念です。
イヤーループは羽つきのものと、何も無いものが2種類ついてきます。耳油での汚れを防ぐとともに、グリップ感を高めて取れるのを抑える効果があるので、どちらかの種類は装着したほうがよいでしょう。
まとめ
良い点
- クリアでカリッとした音質
- 三種コーデック対応
- ANCなどの機能全部盛り
- ソフトウェア対応
- 機能十分な付属品
悪い点
- マルチポイントが微妙
- 質感の問題で指紋が目立つ
流石にNUARLだけあって、全体的な高い完成度の高級仕様なTWSです。今回私の環境下では残念な結果だったマルチポイントですが、他の人は普通に使えたという人もいたので、これは環境に由来する問題だと思います。Bluetooth接続は複雑怪奇なので。
そこを除けば十二分に満足できる製品でした。現在外出する際は、スマホにこの完全ワイヤレスイヤホンを接続して音楽を楽しんでいます。