格安ガジェットブログ

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aptXはもう古い? 完全ワイヤレスイヤホンのQualcomm離れについて

最近の完全ワイヤレスイヤホンを見ていると、aptX系のコーデックに対応したモデルが減っているように感じます。

 

現在多くのエントリークラスのTWSで搭載されているのは、SBCとAACコーデックで、上位モデルになってようやくaptXが見えてきます。しかし、上位モデルにしても搭載していないモデルが増えてきており、高音質コーデックはLDACを搭載していることが増えてきました。

 

今回はTWSのaptX離れについて解説していきます。

完全ワイヤレスイヤホンのQualcomm離れ

格安に積むには高すぎるチップだったのかも

そもそも、aptXはQualcommの用意したコーデックなので、搭載するチップもQualcommのものを積む必要があります。QCCなんちゃらというチップが記載されていれば、そのTWSはほぼQualcomm製のチップを搭載しているといっていいでしょう。

 

このaptXというコーデックは少し前までは高音質で低遅延と持て囃され、非常に高い人気を持っていました。更に低遅延になったLLや、ハイレゾ級にも対応したHD、通信状況で音質と接続のバランスをとるAdaptiveなど、派生コーデックも多いです。

 

ただし、このチップは格安TWSに積むにはコストがかかる部類のチップです。仮にもSnapdragonなどで有名なQualcomm製のチップですからね。

格安モデルでも箔付けの為にこのチップを搭載し、aptXに対応させているものも中にはありますが、それができるのはそこそこの規模のブランドだけです。

 

Airohaチップの存在

Qualcommと比べると歴史は浅いですが、新興のチップにAiroha製のものがあります。これは台湾製のチップらしいのですが、SBCとAACコーデックにしか対応していないものの、低価格でアクティブノイズキャンセリングまで搭載可能なチップとなっています。

 

こいつが登場したことで、箔付けに使うなら音質という曖昧な部分でしかわからないaptXより、使えばわかるアクティブノイズキャンセリングを搭載した方が良いという考えが増えました。

 

実際昨今の格安TWSは、低価格でANC搭載機が爆発的に増加しています。

 

 

AACコーデックでも十分だった

いままでaptXは低遅延で高音質なコーデックと記載しました。確かにそれは間違っていません。しかしAACで不足があるかと言われると、それは間違いなく否でしょう。HDやLLであればともかく、ノーマルのaptXが相手だとAACとは大差がありません。

 

また、Android系のAACiPhone系のAACでは、音の遅延はぜんぜん違って、iPhoneであれば荒野行動みたいなTPSゲームくらいならぜんぜん遊べる程度の遅延しかでないなんて報告もあります。

 

さらに、AACには低消費電力というとくせいがあり、現在主流のコーデックの中で、もっとも電池持ちが良いという傾向があります。

そとで長く使っている人には、こういった低消費電力はありがたい項目だと思います。

 

LDACが強い

いままでは低価格モデルについて解説してきましたが、高級モデルだとどうなのかという話です。

現在の高級モデルにおけるQualcommチップ搭載率ですが、昔よりは確実に減ってきています。無論まだまだ搭載してくる新型もあるにはあるのですが、必須コーデックではなくなったかなという印象です。

AACでも十分という事もあって、1万円、2万円を超えてもAACコーデックまでしか積んでいないモデルが多く見られます。

 

そして、そんな中でハイレゾ音源に対応させたいという風になったとき、aptX HDのためにQualcomm製のチップを搭載するかと思いきや、選ばれるのはより上位のLDACというコーデックです。

このLDACは接続こそ弱い弱点がありますが、ハイレゾ対応コーデックではまさに現状最高峰のスペックを持った1つであり、近年目覚ましい搭載率を誇っています。

まだまだ全体の普及率はaptXよりは少ないですが、オーディオファン向けのTWSにもこのコーデックが採用されるようになってきたので、今後も搭載率が増えていくと考えられます。

 

そもそもコーデックだけで音質は決まらない

最後にもっとも重要な話です。TWSの話題で「このTWSはaptX非対応だから音質が低い」なんてにわか意見を聴くことがあります。こういう意見は完全に的はずれなんで赤っ恥です。

 

イヤホンの音質に重要なのは音を発生されるドライバとその配置、それの制御を行うサーキット、ハウジングやそれに影響する筐体の材質などです。そこにイヤーピースなどのフィット状態などが加味されていきます。

まともに通信さえ行ってくれれば、SBCコーデックだったとしてもしっかりときれいな音は出せるわけです。

 

コーデックの影響が大きいのは遅延と接続強度の部分で、純粋な音質はまた別なので注意しましょう。ハイレゾ対応=高音質はまた別の問題ですよ。

 

Technics EAH-AZ60
国内オーディオブランド製のTWS。音質も素晴らしい。
 

 

 

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