パソコンを構成する部品の中で、OSなどを入れておくために必要なストレージ。昔はHDDが主流でしたが、今は半導体の技術も大幅に向上した結果、高速かつ軽量、小型なM.2タイプのSSDが主流になってきました。
昔は高性能なかわりに高級な部類だったのですが、生産技術が向上し、HDDほどの製造難易度も無いためなのか、非常に多くのメーカーが製造販売しています。
今回レビューしていくLexar NM790は、とある曰く付きの積層NANDを採用した、高性能なM.2 SSDになります。
製品特徴
本来Appleが使う予定だったとされる232層NANDを搭載している
このSSDに搭載されているNANDは、YMTC製の232層NANDになります。これは中国の半導体メーカーが開発製造した、新しい製品でして、この手の積層NANDの中ではトップクラスの層数を誇る高性能なものです。
YMTCはAppleが自社製品のパーツとして注文を任せるくらいには品質と性能の高さに定評のある会社であり、この232層NANDも本来はAppleの製品に搭載される予定だったらしいのですが、アメリカの中国に対する制裁活動の一貫により、この取引はおじゃんになってしまったのです。
結果、製造された232層NANDは大量に余ってしまったので、中国国内でバラ撒き販売されることになったのです。
この232層NANDは在庫が切れ次第、別のパーツに置き換わると言われていて、実際他のSSDでは最初はこれを搭載していたのに、今は違うものになっているなんて話も耳にします。
筆者が購入した時点ではまだYMTC製の232層NAND搭載モデルでしたが、遅くなればなるほどこのNANDでなくなる可能性がるので、ここに魅力を感じている人は早めに買ったほうが良いでしょう。
読み書き速度は流石に早いが発熱もすごい
Gen4らしく読み書き速度はとても早いです。筆者は今までGen3のM.2 SSDを使用していましが、それと比べてもとんでもない速度の差があると実感できます。
通常のファイルを開いたりするくらいであれば、体感的にはそこまで差を感じることはないのですが、GBクラスの大きなファイルを移動する際には、二倍以上の差があることは確認できます。500MBくらいのゲームを移動した際には、一瞬で終わったりして「早っ!?」と驚愕させられたものです。
しかしこのGen4世代のM.2 SSDには、高性能な分発熱もすごいという明確な弱点があります。実際読み書き速度の最大値からして大幅に上昇しているので、それは当然のことではあるのですが。Gen5もすでに出ていますがさらに爆熱だということをい考えると、しばらく低発熱の方向には進まないと思います。
筆者はこのSSDがある程度発熱することは知っていたので、銅製のヒートシンクを装着してあるのですが、それでも平常時は50度前後、大容量のデータ転送をした際には70度近くまで温度が上昇しています。まだそこまで暑くはない今の時期でこの温度なので、もう少しゴツいヒートシンクを装着したほうが安全でしょう。
一応目安になるベンチマーク結果も載せておきます。
まとめ
結構な頻度でセールをしているようですし、安い時に狙って買うのであればありだと思います。メーカー的にもそこそこ信頼性はありますので、ちゃんと冷やせる環境にあるのであれば、OSをインストールしておくメインストレージにしても良いでしょう。
反面、冷やせない環境で使うのは相当危険です。特にヒートシンクが使えないノートパソコンとか、あまりスペースがないコンパクトケースのパソコンや、PlayStation5などに使う場合は、70度に達することもあるこのSSDではすぐ壊れてしまうことになりかねません。
あくまでもデスクトップパソコンで、大きめのヒートシンクを付けて使う場合においてならおすすめできる製品です。