ホールエフェクトスティック。これは従来使用されてきた接触式のスティックとは違って、非接触式のスティックとなっており、ドリフトが発生しにくい非常に優れたコントローラーになっています。
現在はこちらのスティック機構が主流となって開発されているらしく、新型のゲームパッドでは搭載されているものも多くなってきました。
ただ、どうにもこのホールエフェクトスティック、変な誤解というか勘違いしている人も多いみたいなので、今回はこのホールエフェクトスティックについて解説すると共に、おすすめ度の高いゲームコントローラーについてまとめて行きたいと思います。
ホールエフェクトスティックへの誤解
ホールエフェクトスティックは多くのゲームパッドに搭載されるようになってきて、それと同じくしてこれを採用したゲームパッドをレビューしている人も多くなってきています。ただ、どうもこのゲームパッドが提供品だからかはわかりませんが、妙に褒め称えるものばかりが目立つ気がします。
まあそこは良いとしても、褒め方が問題でして、『ホールエフェクトスティックだからドリフトが少なく精密な動作ができる』なんて説明をしているレビュアーをチラホラ見かけます。
はっきり言ってしまいますと、別にホールエフェクトスティックだからといって、ドリフトが少なく精密な動作ができるわけではありません。
確かにホールエフェクトスティックだと、劣化によるドリフト現象は発生しにくいです。なぜなら非接触式なためスティックの摩耗なんかでの劣化が起きにくいからです。しかしここでいうドリフト現象は『デッドゾーンをゼロにした時にかならず発生するスティックドリフト』を指しています。ここはスティックの機構の種類によるものではなくて、スティック自体の品質によるもので変わってきます。
たとえホールエフェクトスティックを使っていても、出来が悪いものであればドリフト現象は強めですし、逆に従来の接触式でも、精密で優秀な物を採用しているものは普通に存在しています。別にホールエフェクトスティックは、一社が作成して独占販売しているものではありません。既に様々な企業が開発して、色々なものが市場にながれています。
なのでホールエフェクトスティックだからドリフト弱めで精密に動かせる、なんて考え方は間違っています。
ホールエフェクトスティック採用のゲームパッド紹介
BIGBIG WON Gale Hall
これはBIGBIG WON Galeという今まで販売されていたゲームパッドのスティックを、ホールエフェクトスティックに変更して販売している製品です。なので、スティック部分こそ最新鋭ではあるのですが、作りとしてはそこまで新しいものではありません。
専用のソフトウェアでかなり細かく設定できるなどのメリットはあるのですが、このゲームパッドには明確な弱点があります。
まず、ABXYボタンはラバードームを使用した、コントローラーにありがちなメンブレン構造になっているのですが、これの耐久性があまりよくありません。筆者は同じBIGBIG WONのコントローラーは使用したことがあるのですが、ここのメンブレン構造はだいたい脆くて、良く使うであろうAボタンのラバードームがヘタってしまい、凹んだまま戻らなくなってしまいます。
次に旧式のGallの金型を流用して作った結果、このコントローラーにもトリガーストップ機能はありません。トリガーボタンを射撃ボタンに割り当てたい人にとって、トリガーストップができないというのはかなり残念な使用だと思います。
値段はだいたい9000円から8000円を推移しているので、上記の弱点を許容できるなら、8000円くらいになったら買えば良いと思います。
GameSir T4 Cyclone Pro
いろいろな意味で有名なGameSirのコントロールです。ホールエフェクトスティック精度はかなり高く、多くのユーザーからその面に関しては好評を受けているようです。
ちなみにPro版と無印版があるのですが、違いはPro版の方はABXYボタンがマイクロスイッチで無線ドングル付属でXbox配列。無印はメンブレンスイッチでSwitch配列でドングルはついてこないという仕様になっています。買う時は間違えて買わないようにしないといけませんね。
これの弱点は前述のゲームパッドと同じくトリガーストップがついていないことと、メーカー的にサクラレビュー上等なところがあるので、そういった面での信頼感が低い点にあります。
値段はだいたいいつも8000円くらいですが、たまにクーポンで20%オフになっていることもあります。ほしいならこのクーポンが出ている時期が狙い目でしょうか。
8BitDo Ultimate 2.4G
この製品もBIGBIG WONのGallと同じく、従来販売されていたモデルのスティック部分をホールエフェクトスティックへと換装したモデルになります。
形状としては純正コントローラーよりもちょっとだけ小さいサイズ感のものとなっているのですが、欧米人よりも手のひらが小さい日本人には、むしろフィットするかも知れませんね。
結構付属品も豊富でして、充電スタンドにドングルも付属してきます。あと紫色のカラーもあります。
弱点としてはやはりこのモデルもトリガーストップがないことが上がります。
COWBOX GC-10D
ホールエフェクトスティック採用のゲームパッドではおそらく最安値の4280円です。それでいて機能的にソフトウェアに対応しているし、これまで紹介したゲームパッドの中でも機能面だけみれば遜色ない内容になっているでしょう。ただトリガーストップが無いという弱点も継承。なぜ頑なにホールエフェクトとトリガーストップを両立しないのでしょうか。
ただしこの製品は、ODM製品です。なので探せば似たような形状の製品は山程出てきますし、気がついたら仕様が変わっているなんてこともおうおうにして起きます。
そもそも自社でデザインした製品と違って、こういうODM製品には制作者の誇りだとか気遣いだとか、そういうものはありません。なので売ったら売りっぱなしでアフターサポートもあまり期待できるものではありません。
COWBOXはこれよりも前に出した製品で、無線コントローラーなのに技適を取っていなかったりなどのやらかしもあるので、メーカー信頼度はサクラ濡れのGameSirより下でしょう。
FLYDIGI VADER3 PRO
ものすごい人気のあるゲームパッドです。ホールエフェクトスティック搭載、トリガーストップもあり、ソフトウェアもある。ABXYボタンがマイクロスイッチ、6つのプログラミングボタンあり、別売りではあるもののスマホホルダーも取り付けられるなど、かなり機能的に豊富です。
これだけ人気でありながら価格もリーズナブルだったことから、日本での発売前から人気でアリエクなどで買う人も多数だったため、正式にパソコン関係の仕入れ会社のサイズが仲介に入って、日本販売が決定した製品です。
弱点はあまりの人気ぶりにしょっちゅう品薄状態だということ。実際筆者もAmazonで購入しましたが、届いたのは一月ほど待ってからです。
価格は通常だと9000円ほどなのですが、結構な頻度で7000円くらいまで値下げしているので、買うならそこを狙うと良いでしょう。